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10時からの約1時間は商品部から新規商品の紹介とその売り方、そして売り込むために必要な商品情報などの説明がある。
商品特性、販売の開始時期、既存の商品との違いなどを丁寧に解説する。 また、既存商品であってもじわじわと売り上げを伸ばしている商品についての理由や背景説明がある。
OFCも加盟店主もどうしても新製品に注意がいきがちだが、女性誌のように表紙のモデルが変わることで販売部数が大きく変動する商品がある。 こうした販売動向は個々のOFCの日ごろの活動ではなかなか気づかない。
売れている商品なのに見逃しやすい。 そうした取りこぼしかけている需要をS本部の商品部が全国店舗から上がってくる販売データや社外の様々な情報などからピックアップし、加盟店主を喚起するのである。

女性誌の場合、商品部の幹部がFC会議の場でOFCに売り上げ増に向けた具体的な指示を出す。 駅前、学生街、オフィス街など女性が頻繁に立ち寄る店舗の加盟店主には、女性誌が売れていることを話し、さらに売れている理由を正確に伝えることをOFCに要請する。
理由が明確になっていないと、店側に商品発注をする意図が伝わらず、仮説・検証型の発注作業にならないからだ。 商品部に割り当てられた約一時間には、ファストフード、加工食品、日用雑貨など3、4商品が紹介され、売り方についても簡潔に伝えられる。
商品部からの説明が終わったところで、Sの講話が始まる。 「では、会長の講話があります」司会者のこの言葉で講堂にはピンと張り詰めた空気が広がる。
Sの講話は約30分。 OFCが説明する個別具体的な事例についてコメントをすることもあるが、Sが意識してOFCらに話すのは単品管理の考え方だ。
例えば、お茶などの飲料と酒を同じスペースで販売していた店舗が、飲料のスペースを3割増やし、代わりに酒のスペースを3割減らして、変更前後の販売動向について比較した実験をした。 結果は飲料と酒双方とも売上数量が伸びたという。
担当者にしてみれば、結果を数字で示したから自慢の実験だったに違いない。 しかしSはこの報告を全く評価しなかった。
そして、「単品管理の思想がまったくわかっていない」と切って捨てた。 普通に聞いていれば、売り場の効率を上げるための実験によって効果が出ているように見えるが、Sにとってはただの売り場スペースの変更に過ぎなかった。

Sによれば、Sの業務のうち最も重要なのが店舗での発注作業だという。 消費者の嗜好の変化が激しい現在の消費環境では、「何か売れるのか」「何が売れそうなのか」を勘に頼ることなく客観的なデータを基に商品の販売動向を把握し、発注数量を決めることが大事だと考えている。

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